銀杏の生産量日本一はどこ?都道府県別ランキングと推移【農水省データ】

こんにちは、ぎんなん娘です。
ぎんなんの生産量が日本一の都道府県は、大分県です。
最新の2023年(令和5年)の収穫量は339.5トンで、2位の愛知県(154.6トン)に大きく差をつけました。
全国の収穫量は759.5トンですから、大分と愛知の2県だけで全国のおよそ3分の2を占めていることになります。
ただ、今回のデータには見逃せない変化がありました。
私の地元である愛知県の収穫量が、前の年から4割以上も減っているのです。
この記事では、農林水産省のデータをもとに、都道府県別のランキングと1970年からの推移、そして数字の読み方までをまとめました。
※この記事の数値は、農林水産省「特産果樹生産動態等調査(特産果樹生産出荷実績調査)」に基づいています。
2023年 ぎんなん収穫量ランキング(全国)
まずは最新の順位です。収穫量の多い順に並べました。
| 順位 | 都道府県 | 収穫量(t) | 栽培面積(ha) | 主な産地 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 大分 | 339.5 | 170.7 | 豊後高田市、日出町、宇佐市 |
| 2 | 愛知 | 154.6 | 61.4 | 稲沢市、一宮市、春日井市 |
| 3 | 福岡 | 60.2 | 36.0 | 朝倉市、宮若市、うきは市 |
| 4 | 静岡 | 42.4 | 29.0 | 静岡市、富士宮市、富士市 |
| 5 | 熊本 | 27.5 | 12.3 | 錦町、美里町、山鹿市 |
| 6 | 愛媛 | 19.4 | 13.4 | 大洲市、伊予市、松山市 |
| 7 | 新潟 | 14.8 | 33.9 | 新発田市、十日町市、長岡市 |
| 8 | 岐阜 | 12.1 | 7.2 | 恵那市、中津川市、羽島市 |
| 9 | 東京 | 11.5 | 11.3 | 三鷹市、立川市 |
| 10 | 青森 | 11.0 | 3.0 | 五戸町、三戸町 |
| 11 | 茨城 | 10.0 | 15.5 | 石岡市 |
| 12 | 宮城 | 7.7 | 8.7 | 栗原市、川崎町 |
| 13 | 徳島 | 6.4 | 4.2 | つるぎ町、美馬市、板野町 |
| 14 | 群馬 | 6.2 | 9.3 | 前橋市、甘楽町、上野村 |
| 15 | 千葉 | 6.0 | 9.2 | 木更津市、市原市 |
| 16 | 鹿児島 | 4.9 | 14.0 | 霧島市、薩摩川内市、曽於市 |
| 17 | 福井 | 4.8 | 7.5 | 福井市、永平寺町、大野市 |
| 18 | 石川 | 4.7 | 20.0 | 金沢市、加賀市、珠洲市 |
| 19 | 富山 | 4.5 | 25.3 | 立山町、富山市、南砺市 |
| 20 | 栃木 | 4.3 | 11.8 | 大田原市 |
| 21 | 福島 | 1.9 | 1.9 | 三春町、塙町、田村市 |
| 22 | 京都 | 1.7 | 2.6 | 福知山市、宮津市 |
| 23 | 長野 | 1.4 | 1.0 | 箕輪町、飯島町、中川村 |
| 24 | 高知 | 1.0 | 6.0 | 四万十市 |
| 25 | 山形 | 0.9 | 1.5 | 鶴岡市 |
| 26 | 香川 | 0.1 | 0.5 | 三豊市 |
| 27 | 三重 | 0.0 | 4.6 | 御浜町 |
| ― | 佐賀 | 非公表 | 0.7 | 嬉野市 |
| 全国計 | 759.5 | 522.5 |
上位のシェアを計算すると、大分が44.7%、愛知が20.4%。この2県で65.1%、3位の福岡まで含めると全国の約73%になります。
ぎんなんは、産地がかなり集中している作物だと言えます。

大分県が7年連続の1位|全国の44.7%を1県で生産
大分県の収穫量は339.5トンで、前年(313.4トン)から8.3%増えました。
大分県が1位になるのは2017年から7年連続です。
栽培面積は170.7ヘクタールと、全国の栽培面積522.5ヘクタールのおよそ3分の1にあたります。
大分県の推移をさかのぼると、2019年に474トンという突出した年があり、その後は2020年398トン、2021年377トン、2022年313トンと減少が続いていました。
2023年はその流れが止まり、再び増加に転じた形です。

線が途切れている年は、その年に上位3県から外れて数値が公表されなかった年です。
主な産地として挙げられているのは、豊後高田市、日出町、宇佐市。
いずれも国東半島から周防灘沿岸にかけての地域です。
日本のぎんなんの4割以上が大分県産だと考えると、スーパーや通販で見かけるぎんなんが大分県産である確率は、決して低くありません。
愛知県が4割減|面積は変わらないのに収穫量だけが減った年
2023年産で最も大きな変化があったのは、2位の愛知県です。
| 2022年 | 2023年 | 増減 | |
|---|---|---|---|
| 収穫量 | 263.9 t | 154.6 t | −109.3 t(−41.4%) |
| 栽培面積 | 61.4 ha | 61.4 ha | 増減なし |
注目していただきたいのは、栽培面積が61.4ヘクタールでまったく変わっていないという点です。
イチョウの木が減ったわけではなく、同じ面積から採れた実の量だけが4割以上減っている、ということになります。
この減少は、全国の数字にもはっきり表れています。
両方の年で数値が公表されている26都道府県だけを取り出して比べると、合計は848.9トンから744.7トンへ、104.2トン減りました。
ところが愛知県ひとつで109.3トン減っています。
つまり、愛知県を除いた25都道府県の合計は、むしろ5トンほど増えているのです。
2023年の全国的な減少は、ほぼ愛知県の減少だけで説明がついてしまいます。
なお、なぜ愛知県で収穫量が減ったのかについて、この統計には理由の記載がありません。
分かっているのは「面積は同じで、収穫量が減った」という事実だけです。
愛知県の主な産地は、稲沢市・一宮市・春日井市。
特に稲沢市祖父江町は、樹齢100年を超えるイチョウが立ち並ぶ日本有数のぎんなん産地として知られ、秋には「そぶえイチョウ黄葉まつり」が開かれます。

1ヘクタールあたりで見ると順位が変わる
収穫量の順位は「たくさん作っている県」の順位です。
では「密度」で見るとどうなるでしょうか。公表されている収穫量を栽培面積で割ってみました。
| 収穫量 | 栽培面積 | 1haあたり | |
|---|---|---|---|
| 青森 | 11.0 t | 3.0 ha | 3.67 t |
| 愛知 | 154.6 t | 61.4 ha | 2.52 t |
| 熊本 | 27.5 t | 12.3 ha | 2.24 t |
| 大分 | 339.5 t | 170.7 ha | 1.99 t |
| 福岡 | 60.2 t | 36.0 ha | 1.67 t |
| 静岡 | 42.4 t | 29.0 ha | 1.46 t |
| 全国平均 | 759.5 t | 522.5 ha | 1.45 t |
大分県は広い面積で全国1位を取っている一方、愛知県は全国平均の1.7倍を超える密度で採れています。
大分は面積で、愛知は密度で1位を争っているという構図です。
ちなみに愛知県の2022年は、1ヘクタールあたり4.30トンでした。
2023年に2.52トンまで下がってなお全国平均を大きく上回っているところに、この産地の底力が表れています。
一方で、栽培面積があるのに収穫量が伸びていない県もあります。
富山県は25.3ヘクタールで4.5トン、石川県は20.0ヘクタールで4.7トン、新潟県は33.9ヘクタールで14.8トン。
北陸の各県は、面積の順位と収穫量の順位が大きくずれています。
ここまで見てきたとおり、ぎんなんは産地によって採れる量も密度もかなり違います。
ただ、実際に取り寄せようとすると、収穫量の順位と選べる産地は一致しません。
2026年8月時点でふるさと納税の返礼品として選べるぎんなんを調べたところ、収穫量1位の大分県は見つからず、山形・茨城・静岡などが中心でした。
産地ごとの内容量と寄付額は、9自治体を1gあたりで比較した記事にまとめています。
※この表の1haあたりの数値は、公表されている収穫量と栽培面積から当サイトが計算したものです。
市場に出ないぎんなんもある|収穫量と出荷量の差
この調査には、収穫量とは別に「出荷量」という数字もあります。
全国の出荷量は532.4トン。
収穫量759.5トンに対して、70.1%にあたります。
産地ごとに見ると、この比率はかなり違います。
| 収穫量 | 出荷量 | 出荷の割合 | |
|---|---|---|---|
| 静岡 | 42.4 t | 40.7 t | 96.0% |
| 愛知 | 154.6 t | 139.4 t | 90.2% |
| 福岡 | 60.2 t | 49.2 t | 81.7% |
| 熊本 | 27.5 t | 22.1 t | 80.4% |
| 大分 | 339.5 t | 157.9 t | 46.5% |
大分県は、収穫量のうち出荷されているのが半分以下です。
全国の出荷量532.4トンのうち、加工向けは47.4トン。
そのうち大分県が13.9トンと最も多く、青森県と熊本県が各11トンで続きます。
収穫量と出荷量の差が何によるものかは、この統計からは分かりません。
ただ、「収穫量の順位」と「市場に出回る量の順位」は必ずしも同じではないという点は、産地を選ぶときの参考になるはずです。
全国の収穫量推移(1970〜2023年)
長期の推移も見ておきましょう。以下は全国の収穫量です。
- 1970年代:247トン(1970年)から始まり、1970年代前半は320〜340トン台。後半は180〜250トン台へ落ち込みます。
- 1980年代:1983年に389トンへ回復し、1989年には563トンに到達しました。
- 1990年代:1991年に378トンまで下がったあと、1997年に700トンへ。1990年代後半は約680〜700トンで推移します。
- 2000年代:2003年に1,029トンと初めて1,000トンを超え、2007年には1,156トンという過去最高を記録しました。
- 2010年代:1,000トン前後の高い水準が続いたあと、2017年823トン、2018年835トンへ低下。2019年に1,102トンと再び1,100トンを超えます。
- 2020年代:2020年930トン、2021年950トン、2022年855トン、そして2023年は759.5トン。
2023年の759.5トンは、2005年以降でもっとも少ない収穫量です(これより少ないのは2004年の715トンまでさかのぼります)。
もうひとつ押さえておきたいのが栽培面積です。全国の栽培面積は2003年の1,079ヘクタールがピークで、2023年は522.5ヘクタール。20年でおよそ半分になっています。
面積が半分になっても収穫量がそこまで落ちていないのは、1ヘクタールあたりの収穫量が上がっているからです。2003年は1ヘクタールあたり0.95トンでしたが、2023年は1.45トン。全体としては「狭い面積から効率よく採る」方向に変わってきたことが読み取れます。

このデータを読むときの3つの注意点
ぎんなんの統計を見るときは、いくつか知っておいたほうがよいことがあります。
1. すべての生産量が載っているわけではありません
この調査の対象は、各都道府県内で50アール以上栽培され、かつ出荷実績のある品目です。
家庭のイチョウの木で採れたぎんなんや、小規模な栽培は数字に入りません。
実際に日本で採れているぎんなんの総量は、この数字より多いと考えられます。
2. 数値が公表されない県があります
2023年では、佐賀県の収穫量が非公表(統計上の秘匿)になっています。
また2022年では新潟県と岡山県が非公表でした。
2022年に数値のあった和歌山県と岡山県は、2023年の表には掲載されていません。
このため、「全国計」を単純に前年と比べると、増減の一部は公表・非公表の切り替わりによるものになってしまいます。
この記事で愛知県の減少を検証した際に、両年とも数値のある26都道府県だけで比べたのはこのためです。
3. データが出るまでに時間がかかります
ぎんなんは主要果樹に指定されていない「特産果樹」のため、確定値の公表は収穫年からおよそ2年〜2年半後になります。
2023年産が現時点での最新データで、2024年産はこれから公表される見込みです。
よくある質問
Q1. ぎんなんの生産量日本一はどこですか?
大分県です。
2023年の収穫量は339.5トンで、全国759.5トンの44.7%を占めます。
2位は愛知県の154.6トンです。
Q2. 2023年に愛知県の収穫量が減ったのは、なぜですか?
農林水産省の統計には理由が記載されていないため、断定はできません。
分かっているのは、栽培面積が61.4ヘクタールで前年と変わらないまま、収穫量が263.9トンから154.6トンへ41.4%減ったという事実です。
木そのものが減ったわけではないことは、面積の数字から読み取れます。
Q3. 産地によってぎんなんは違いますか?
味の違いについては、この統計からは分かりません。
ただし、産地ごとに主に栽培されている品種は異なります。
たとえば愛知県稲沢市祖父江町では、久寿・藤九郎といった品種が知られています。
品種による粒の大きさや特徴については、祖父江ぎんなんの品種まとめでご紹介しています。
まとめ
2023年のぎんなんについて、データから分かったことを整理します。
- 生産量日本一は大分県(339.5トン、全国の44.7%)。7年連続の1位です。
- 2位は愛知県(154.6トン)。ただし前年から41.4%の大幅減で、栽培面積は変わっていません。
- 全国の減少分は、ほぼ愛知県の減少で説明がつきます。他の道府県の合計はほぼ横ばいでした。
- 全国の収穫量759.5トンは、2005年以降でもっとも少ない水準です。
- 栽培面積は2003年のピークから約20年で半減しましたが、1ヘクタールあたりの収穫量は上がっています。
産地の勢力図は年によって動きますが、大分と愛知の2県が日本のぎんなんをけん引している構図は変わっていません。
産地のぎんなんを実際に味わってみたい方は、ふるさと納税の返礼品を探してみるのが手軽です。

ランキング表・グラフ・比率の計算等は、農林水産省「特産果樹生産動態等調査(特産果樹生産出荷実績調査)」のデータを、編集または加工し、ぎんなん娘が作成したものです。






