ぎんなんの上手な割り方|割り器「銀杏坊主」とペンチ・ハンマーを比較

こんにちは、ぎんなん農家で働いていた経験がある、ぎんなん娘です。
ぎんなんの殻は、道具さえ選べば力を入れずに割れます。
結論から言うと、年に数回だけ食べる方は電子レンジと封筒で十分。
毎年のように食べる方は、専用の割り器「銀杏坊主」が一番ラクです。
私は農家でアルバイトをしていたころにこの道具と出会って、それまで使っていたキッチンバサミには戻れなくなりました。
この記事では、5つの割り方を「手の負担」「潰れにくさ」「安全性」「費用」の4つで比べながら、あなたに合う方法をご案内します。
ぎんなんの割り方は5つ|まず結論から
ぎんなんの硬い殻を割る方法は、大きく5つあります。
それぞれの向き・不向きを先にまとめました。
| 方法 | 手の負担 | 潰れにくさ | 安全性 | 費用 |
|---|---|---|---|---|
| キッチンバサミの持ち手 | 大きい | △ | △ | 家にあれば0円 |
| ペンチ | 大きい | × | × | 家にあれば0円 |
| ハンマー | 中くらい | × | △ | 家にあれば0円 |
| 電子レンジ+封筒 | 小さい | ○ | ○ | 0円 |
| 割り器(銀杏坊主) | とても小さい | ◎ | ◎ | 購入が必要 |
はじめにお伝えしておくと、私が自分の手で使ったことがあるのは「キッチンバサミ」「電子レンジ+封筒」「銀杏坊主」の3つです。
ペンチとハンマーについては、道具の構造から言えることをご紹介します。
大まかな選び方は、こう考えていただければ大丈夫です。
- 今日たまたま手に入った → 電子レンジ+封筒
- 毎年の秋に必ず食べる → 割り器を1つ持っておく
- 一度に30粒以上むく → 割り器がないと手がもちません
家にあるもので割る|キッチンバサミ・ペンチ・ハンマー
まずは、何も買わずに済ませる方法から見ていきます。
どれも「割れる」ことは割れるのですが、それぞれ弱点があります。
キッチンバサミの持ち手
キッチンバサミの持ち手の内側に、ギザギザのくぼみが付いているものがあります。
もともとはくるみ割り用ですが、ぎんなんにも使えます。
私が銀杏坊主を知る前に使っていたのが、この方法でした。
割れないことはないのですが、10粒ほど割ったあたりで手のひらが痛くなってきます。
くぼみがぎんなんより大きいので、粒がくるくると逃げてしまうのも困りものでした。
少量なら現実的な選択肢です。
ペンチ
工具箱にあるペンチでも殻は割れます。
ただ、ペンチの先端は平らで、ぎんなんの丸みを受け止める形をしていません。
挟んだ瞬間に粒が滑って飛んだり、力が一点に集中して中身まで潰れたりしやすい構造です。
さらに、ペンチは支点から先端までが長いぶん力が効きすぎます。
加減が難しく、慣れるまでに何粒か犠牲になると思っておいたほうがよさそうです。
ハンマー
まな板の上にぎんなんを置いて、ハンマーで軽く叩く方法です。
数が多いときには手っ取り早いのですが、ぎんなんは丸いので叩いた瞬間に転がります。
狙いが外れると殻が飛び散りますし、力が強すぎれば中身ごと潰れてしまいます。
布巾をかぶせてから叩くと飛び散りは防げますが、今度は割れ具合が見えなくなります。おすすめしにくい方法です。
ペンチもハンマーも「家にあるもの」として紹介されがちですが、実際には持っていないご家庭も多いと思います。
我が家にもハンマーはありません。
わざわざ買いに行くことになるのなら、ぎんなん専用に作られた道具を選んだほうが、結果的に満足できるはずです。
道具を買わずに割る|電子レンジと封筒

家にあるもので一番うまくいくのが、この方法です。
ぎんなんの中の水分が水蒸気になって、殻を内側から押し開けてくれます。
- 殻付きぎんなんを封筒に入れる(10〜20粒)
- 封筒の口を2〜3回しっかり折り込む
- 電子レンジ500Wで40秒ほど加熱する
- パチパチと音がしたら取り出す
基本は「音がしたら止める」です。
ただ、粒によっては音が鳴らないこともあります。
そのときも加熱を続けないでください。
40秒たったら一度止めて、封筒を開けて様子を見るようにしてください。
音が鳴るまで待とうとして加熱しすぎると、中身が硬くなったり焦げたりして、せっかくのぎんなんが食べられなくなってしまいます。
足りなければ10秒ずつ足す、という進め方が安全です。
ヒビが入るだけで完全には割れない粒も出てきますが、そこは指で開けられます。
どうしても開かない粒には、やはり割り器があると早いです。
加熱時間や封筒の選び方など、この方法の細かいコツは別の記事にまとめました。

専用の割り器「銀杏坊主」を使ってみた

私が銀杏坊主を手にしたのは、ぎんなん農家でアルバイトをしていたときのことでした。
祖父江ぎんなんを大量に分けていただいた際に、割り器も一緒にいただいたのです。
もともとぎんなんをよく食べる家だったので、これは本当に助かりました。
それまではキッチンバサミで格闘していたので、道具ひとつでこんなに違うのかと驚いたのを覚えています。
作っているのは、新潟県三条市の諏訪田製作所。
爪切りやニッパーで知られる金物メーカーです。
銀杏坊主は、ぎんなんの殻を割るためだけに作られた専用道具で、私が使っているのはスチール製の150mmサイズです。
一般的なペンチとの一番の違いは、刃の部分の形です。
ぎんなんの丸みに合わせたくぼみがあるので、粒が逃げません。
てこの支点も近い位置にあり、軽く握るだけで殻だけが「パキッ」と割れます。
キッチンバサミを使っていた頃は10粒で手が痛くなっていましたが、銀杏坊主に変えてからは、力の弱い私でも痛くならずに30粒くらい簡単に割れるようになりました。
硬めの大粒でも、握力で押し切るような感覚がまったくありません。
なお、うちでは数年使っていますが、スチール製ながらサビは出ていません。
使ったあとに水気を拭き取っておけば、特別な手入れは要らないようです。
銀杏坊主が向く人・向かない人
正直なところ、全員に必要な道具ではありません。
買って後悔しないよう、線引きをはっきりさせておきます。
- 毎年の秋に必ずぎんなんを食べる
- 一度に30粒以上むくことがある
- 握力に自信がない、手が痛くなりやすい
- 茶碗蒸しや炊き込みご飯など、粒の形を残したい料理をよく作る
- ぎんなんを食べるのが年に1〜2回
- もらったぎんなんを、その場で少しだけ食べたい
- キッチンの引き出しに、これ以上道具を増やしたくない
年に数回であれば、電子レンジと封筒で本当に十分です。
「今年もまたぎんなんの季節が来た」と毎年感じている方にだけ、強くおすすめしたい道具です。
割ったあとにやること|薄皮むきと保存
殻を割ったあとには、まだ薄皮が残っています。
そのまま食べても問題ありませんが、口に残るのが気になる方は次のようにしてください。
- 加熱して熱いうちに、指の腹でこする
- 水にさらさなくても、そのままつるんとむける
- 冷めると皮が張り付いて固くなるので、手早く
そしてもう一つ、大事なことがあります。
保存するつもりのぎんなんは、割らないでください。
ぎんなんは殻付きのまま生の状態で冷凍するのが、一番風味が落ちません。
割ってしまうと日持ちしないので、その日に食べるぶんだけを割るのが正解です。
ぎんなんの保存方法|常温・冷蔵・冷凍の保存期間と長持ちのコツ
よくある質問
Q. ぎんなん割り器の代用になるものはありますか?
A. 一番近いのはキッチンバサミの持ち手にあるくるみ割り部分です。
ただ、くぼみのサイズがぎんなんより大きいので粒が逃げます。
くるみ割り器も同じ理由で、少し扱いにくく感じると思います。
Q. 銀杏坊主はどこで買えますか?
A. 楽天市場などの通販で購入できます。
調理器具店で見かけることもありますが、季節商品の扱いなので秋以外は置いていないお店が多いです。
Q. 子どもでも使えますか?
A. 力はほとんど必要ありませんが、金属で挟む道具なので小さなお子様だけで使うのは避けてください。
殻を割る係をお子様に、といった形で、大人が見ている場面でお使いいただくのがよいと思います。
Q. サビませんか?
A. 私が使っているスチール製のものは、数年使ってサビは出ていません。
濡れたまま放置せず、水気を拭いてから片付けていただければ大丈夫です。
まとめ|割り方は「食べる回数」で決めていい
ぎんなんは、殻むきさえラクにできれば、ぐっと身近になる秋の味覚です。
- 年に数回だけ → 電子レンジ+封筒で十分
- 毎年のように食べる → 割り器「銀杏坊主」がおすすめ
- ペンチ・ハンマー → 中身が潰れやすいので、あえて選ぶ理由は少なめ
割り器を使うほどぎんなんを召し上がる方なら、ぎんなん自体をまとめて手に入れる方法も知っておいて損はありません。
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